コンセプト

お客様をやめさせないクラブ運営の秘訣とは

皆さまこんにちは!水藤英司です。
私はスポーツフィットネスビジネスの現場で、指導者および経営者双方の懸け橋として様々な取り組みをしてまいりました。
その中で、

  • 顧客満足を上げる公式に沿って顧客満足度を上げる
  • 会員をやめさせないスタッフ教育

この2つが、クラブ運営にとって何よりも大切だと痛感しています。

代表 水藤英司

1.顧客満足度を上げる公式

顧客満足度は、会員の判断基準です。それには、事前に予測している期待度が影響し、期待値に対して実際に体感後に判断する充実度がどれくらい上回るかで、顧客満足度が決まってしまいます。
下記の公式が成り立ちます。

顧客満足度の公式

期待と満足

会員に通い続けてもらうためには、常に会員の期待通りのサービスレベル(③【満足】レベル)、さらには、それ以上のサービスレベル(②【感謝】レベル、①【感動】レベル)に引き上げていくことが何より重要です。

そして、顧客満足度を測る要素として、Q(クオリティ)、S(サービス)、C(クレンリネス)、A(アトモスフィア)、P(価格)があります。充実度の要素QSCAは非常に重要なポイントになります。

QSCAP表

Q(クオリティ)- 指導品質向上について

【成功事例】指導マニュアルに数値目標を入れ改善

スイミングスクールなど複数名のコーチが同時に指導する場合、特に保護者のコーチ評価が満足度に大きく関わってくることは言うまでもありません。
そのため、指導技術の標準化を図るために、指導マニュアルの中に数値目標(定量的なもの)を入れるように改善しました。

  • 練習量(8分~10分、1名5回以上の練習)
  • 指導方法(個別指導 月間2回以上)

スイミング

その他、生徒とコミュニケーションをとる際には必ず子供の名前を呼ぶようにし、今日良くなったポイントを伝えるようにしたことで、保護者からの評価が上がりました。

【失敗事例】スタッフの管理不足とベテランインストラクターの評価体制の欠如
  • その1:ベテランインストラクターの評価がしっかりとできていない

アルバイトスタッフでも、長年勤務しているスタッフのことはある意味野放しになっているスクールが多くあります。
●スクール運営側の意向をくみ取って動いているか?
●経験と勘のみの指導になっていないか?
など、注意する必要があります。

  • その2:フリーインストラクターや外部講師などの評価がしっかりとできていない

フリーインストラクターや外部講師の指導品質管理はとても大変です。
しかし、スクール内容を任せっきりになっている時に指導品質が保たれていないことが多いです。

  • その3:新人スタッフの教育不足

新人スタッフを現場に立たせる前に、最低限の教育ができているでしょうか?あきらかに新人だとわかってもよい場面と、そうでない場面があります。「新人だけどしっかりしてる」「新しいコーチとても頑張ってる」と感じてもらえなければ、スクールの信用は低下してしまいます。

クオリティレベルを保つためのチェックリスト
クオリティレベルを保つチェックリスト
クオリティを保つ指導マニュアル例
クオリティを保つ指導マニュアル

サービス(おもてなしの心について)

【成功事例】生徒の出迎え見送りの実施で顧客満足度アップ

予約システムを導入しているスクールの場合、体験や初回レッスン時には、『何時に●●さんが来館する』ということがわかっているので、スタッフが施設入り口付近で、お出迎えし、『●●様お待ちしてました!今日はよろしくお願いします!』と声掛けを実施しました。スクール終了後には、講師または受付スタッフが、お見送りするようにしたことで、顧客満足度が上がりました。

【失敗事例】新規入会者へのフォロー体制不足とスタッフの商品知識不足
  • その1:常連客中心の接客

スタッフは話しやすい常連客中心の接客になっていないでしょうか?
入会間もなく施設の使い方がよくわかっていない会員に対して、しっかりとフォローや案内ができていないケースがよくあります。
そんなときスタッフは常連客とのコミュニケーションをしていて気がつかない場面を見かけます。

  • その2:スタッフの商品知識不足

自分の担当以外の商品知識もしっかり理解しているか?
私がサービスレベルチェックを行っていると、フィットネスクラブではジムトレーナーが会費やサービスの価格を知らないということが良くあります。「フロントで聞いてください」ということは当たり前になっているクラブもあります。

サービスレベルを保つためのチェックリスト
サービスレベルを保つためのチェックリスト
声がけ事例
声かけ事例

クレンリネス(設備、施設の衛生面、清潔感について)

【成功事例】施設が汚れにくい心配りとスタッフの身だしなみ
  • その1:更衣室、パウダールームに除菌シートとごみ箱を増設

除菌シートを使いやすいように、ごみ箱の数を増やすことで、施設の清潔感が向上しました。
『汚さ』と『古さ』は違うことをしっかりと意識しましょう。

  • その2:スタッフの身だしなみ相互チェック

スタッフルームや事務所から出る前に、他のスタッフに身だしなみ10秒チェックをしてもらうようルール化。スタッフ同士でできないときは鏡の前でセルフチェックします。
「服装、オッケー!」「髪、爪、オッケー!」と声に出しながら身だしなみチェックをしましょう。
これは簡単で効果も高いやり方です。身だしなみも良くなり、接客に対する意識も向上し、保護者からの印象もよくなります。

【失敗事例】お客様目線不足により施設の汚れに気づかない

施設をお客様目線で使用することのないスタッフは 施設の汚れに気が付きにくい傾向があります。
お客様の動線を意識し、直接触れる備品のチェックを忘れないようにしましょう。

トイレ
クレンリネスレベルを保つためのチェックリスト
クレンリネスレベルを保つチェックリスト

アトモスフィア(居心地の良さについて)

【成功事例】くつろげる空間づくり

予約システムを導入しているスクールの場合、体験や初回レッスン時には、『何時に●●さんが来館する』ということがわかっているので、スタッフが施設入り口付近でお出迎えし、『●●さまお待ちしてました!今日はよろしくお願いします!』と声掛けを実施しました。

スクール終了後には、講師または受付スタッフがお見送りするようにしたことで、顧客満足度が上がりました。

ロビー

  • その1:休憩・談話スペースを設ける
    スクールの本来の目的に使用するスペース以外に、休憩や談話できるスペースがある店舗は、会員の継続率が高い傾向にあります。
  • その2:自販機スペースをリニュアルして、すこし腰をおろせる場所を作る
  • その3:子どもスクールでは見学する保護者のための椅子やソファを新調する
    見学スペースが拡張できない場合は、スクールの様子をモニターで映像を見れるようにするなど、改善している施設もあります。
【失敗事例】常連客へのかかわり方と雰囲気づくり
  • その1:常連客による場所取り
    フィットネスクラブやカルチャーセンターでは スタジオや教室の席や順番など常連客が場所とりをしてしまい、『ここは●●さんの場所』というような暗黙のルールがあったりしますね。新規会員にとっても、大変雰囲気の良くないことです。
  • その2:スタッフの対応力不足
    サービスの項目と近いですが、スタッフは会員がスクールになじめるようにフォローできているかどうかが重要です。インストラクターや講師は、スタッフと既存会員のコミュニケーションの輪に、新規会員を自然と入れることができるよう注意する必要があります。

これができていない インストラクターや講師は意外と多いのです。雰囲気づくりが大切です。

アトモスフィアレベルを保つためのチェックリスト

以上、このような点を踏まえて、QSCAの要素一つひとつに気を付け、ご自身の現場を今一度見直していただくとよろしいかと思います。
QSCAについての覆面調査では、これらのすべての項目について数値化し点数レベルを厳しくチェックします。そして、現状のレベルと今後の対策についてレポートし、スクール運営に役立てていただいています。

詳細については後ほど触れさせていただきます。

2.お客様をやめさせないスタッフ教育

お客様をやめさせないためには、有能感、自立感、帰属感が感じられることが重要です。
具体的なコミュニケーション手法は、次の通りです。

有能感を刺激する

「優れた人間でありたい」という感情を刺激することです。この感情が満たされれば、お客様のやる気はぐんぐん育っていきます。
ポイントは、会員が「この習い事向いているな」「不安だったけどうまくなってる!」と感じられるようなコミュニケーションの取り方です。
漠然とほめるのではなく、具体的にどう優れているのか、どう上達しているのかを対比や数値で説明することで、有能感は刺激されやすくなります。

有能感の図

自立感を芽生えさせる

トレーニング風景

「自らの行動を自らがコントロールしている」と感情を芽生えさせることです。
自分に必要だ、自ら進んでやっていると意識させることが重要なので、会員に「自分が選んで通っている」のだと常に意識させる声がけをします。
具体的には、「●●さんの目標は■■でしたよね」といった声がけをします。
また、会員の生の声がきけるアンケートを取ることも有効です。

帰属感を抱かせる

会員にとって「自分の居場所がある」と感じられるようにすること。
コミュニティに新たに参加した人に居場所をつくるよう心がけ、講師のみではなく会員同士のコミュニケーションを促し、活発にします。
例えば、「●●さんは入会したばかりの方なので、声をかけてあげてくださいね」と常連客にお願いし、面倒を見てもらえるような関係性を作れれば非常に有効です。

現場と経営者の橋渡しの中で実践してきたものばかりです

これら以外にもたくさん重要な点がありますが、最も重要な2つをお伝えしました。
顧客満足度を上げる公式と取り組み、お客様、スタッフのやる気上昇の考え方と取り組みです。
以上、これまでにお伝えしてきたものはすべて、現場と経営者の橋渡しの中で実践してきたものばかりです。

水藤が懸け橋となって歴任した職務

2000年オクトパススポーツクラブ マネージャー就任
2001年名古屋リゾート&スポーツ専門学校 非常勤講師就任
2004年

  • 名古屋市スポーツセンター チーフトレーナー就任

  • (株)スポーツ・ザ・ディア 専務取締役就任

2006年サンプラザスポーツクラブ アドバイザー就任
2011年トライデントスポーツ医療看護専門学校非常勤講師 就任
2012年(一社)日本スポーツ支援機構代表理事就任
2014年ミズノスポーツサービス、JR東海など数社の社員教育アドバイザー就任
2017年サッカークラブワイヴァン クラブ代表就任

講演、セミナー実績

・ミズノスポーツサービス株式会社   ・JR東海ホテルズ   ・住友林業ホームテック株式会社
・財団法人名古屋市スポーツ協会   ・公益財団法人愛知県教育スポーツ振興財団
・中部電力株式会社  ・静岡産業大学   ・愛知工業大学

など実績を積んできました。ある意味このような切り口で出版しているのは私しかいないといっても過言でないと思います。

お客様をやめさせないスタッフ研修、および覆面調査はお任せください

  • 会員の退会率を下げたい
  • スタッフの熱意が感じられない

など現状ある課題について、またスタッフ教育についてなど、何ご相談いただくことが可能です。
皆様のお手伝いができますことを心待ちにしております。

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